正しい姿勢と5つの不良姿勢
当記事では「正しい姿勢」と「不良姿勢」についてまとめました。
「猫背」や「反り腰」といった一般的な不良姿勢はご存じだと思いますが、では正しい姿勢とはどのような状態を指すのでしょうか。姿勢分類の基礎を解説します。
記事制作:株式会社ORGO「ePose編集部」
メディア制作ポリシー
目次
正しい姿勢とは
人の正しい姿勢は、正面を向いてまっすぐ立ったときに「耳(耳垂)・肩(肩峰)・股関節(大転子)・くるぶし」が一直線に並んでいる状態です。
専門的な言葉では、頭・体・骨盤・手足の配列を「アライメント」と呼び、正面から見ても側面から見ても各部位の並び方が綺麗でアライメントが正常な状態を「良い姿勢」としています。また施術の現場では、正面よりも側面(矢状面)の姿勢を、主な判断基準として使います。
例えばどこかの筋肉が弱っていたり、硬くなっていたりすると、その部分を庇うために自然と体がゆがんでくることがあります。あるいは関節や骨が曲がってしまっていると、もちろん見た目の姿勢に影響してきます。
そしてまっすぐに立とうと思うと、意外と全身の筋肉を使います。楽にしようと姿勢を崩したら、それが不良姿勢につながります。目標となる正しい姿勢を理解して、日頃から意識的に正しい姿勢を維持しようとすることが、正しい姿勢への第一歩となります。
不良姿勢とは
正しい姿勢の反対である、良くない姿勢のことをまとめて「不良姿勢」と呼びます。代表的な不良姿勢について解説していきます。
- 胸椎後弯・頭部前方位(猫背)
- 前弯姿勢(ロードシス)
- 後弯・前弯姿勢(カイホロードシス)
- 平背姿勢(フラットバック)
- 後弯・平坦姿勢(スウェイバック)
胸椎後弯・頭部前方位(猫背)
世間で「猫背」と言われる姿勢は、胸椎部が後弯し、頭部が前方に位置しているアライメントです。
腰まわりにはとくに不良が見られず、上記胸椎部と頭部の姿勢不良だけが見られるケースを、単なる「猫背」と呼んでいます。猫背に腰部分の姿勢不良が組み合わさると、また別の不良姿勢に当てはまる場合があります。
猫背の場合、胸まわりや僧帽筋上部などの筋肉が緊張しており、背中側の筋肉が伸長している傾向にあります。
前弯姿勢(ロードシス/反り腰)
前弯姿勢(ロードシス)は背筋は正常であるものの、腰部分が前弯しているアライメントを指す言葉で、いわゆる「反り腰」の姿勢です。
ロードシスの場合、腰椎部の脊柱起立筋と股関節屈筋群が短縮しており、前方腹筋とハムストリングスが弱化または伸長している傾向にあります。
後弯・前弯姿勢(カイホロードシス)
後弯・前弯姿勢(カイホロードシス)は、前述した猫背と反り腰が組み合わさった不良姿勢です。
胸椎部は後弯し、腰椎部が前弯しており、通常のアライメントと比べて背筋のS字カーブが大きく出ているような状態です。
カイホロードシスは猫背と反り腰両方の特徴を持つため、その他不良姿勢と比較して多くの筋肉に影響が見られる傾向にあります。
平背姿勢(フラットバック)
平背姿勢(フラットバック)は腰の弯曲が少なく、背筋がピンと伸びすぎている、あるいはC字カーブを描いているようなアライメントで、「軍隊姿勢」と呼ばれることもあります。
フラットバックは前方腹筋とハムストリングスが短縮し、脊柱起立筋と股関節屈筋群が伸長している傾向にあります。
後弯・平坦姿勢(スウェイバック)
後弯・平坦姿勢(スウェイバック)は、猫背で腰が前方に位置しており、腹が突き出たような見た目になるアライメントです。現代人に多く、楽に立った際は自然とスウェイバック姿勢になってしまう方が少なくありません。
スウェイバックは腹筋上部やハムストリングスなどが短縮しており、上半身から下半身にかけて多くの筋肉が弱化または伸長しています。
簡単な姿勢評価方法
壁に背中を付けて立ったときに、壁と体の間にできる隙間の大きさや、壁に当たる部位によって、姿勢の簡易的な自己評価が可能です。
まずは壁から少し離れたところに立ち、体が壁につくまで後ろに下がります。
その際に、お尻が先に壁につけば猫背、背中が先に壁につけば反り腰の可能性があります。
また壁と腰の間に手のひらを差し込んだときには、手のひら1枚分が入る程度の隙間が空いているのが正常です。それ以上空いていたり、あるいは隙間がなかったりすると、不良姿勢の可能性があります。
ただしあくまで簡単な評価方法ですから、詳細な診断は専門家に依頼することをおすすめします。
姿勢を正しく保つには
姿勢を正しく保つには、まずは正しい姿勢を認識して、腹圧を込めて真っ直ぐに立つよう意識することが大切です。よく「頭が空から糸で吊られているように立つ」とも言われますが、真っ直ぐに立つのは意識しなければ難しいことです。
場合によっては専門家からの診断も受けながら、日頃から正しい姿勢を意識して、素敵な見た目を目指していきましょう。