カイホロードシス姿勢の特徴と筋肉への影響
カイホロードシスは、日本人にとても多い不良姿勢です。いわゆる「猫背・反り腰」の見た目になり、お腹に重みを感じる方に多くみられます。
当記事ではカイホロードシスの特徴や、筋肉への影響についてまとめました。
記事制作:株式会社ORGO「ePose編集部」
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目次
カイホロードシスとは
カイホロードシスは日本語で「後弯・前弯型」と呼ばれ、背中が丸まり、腰が反り、骨盤が前傾している姿勢です。
英名はkyphosis-lordosis。kyphosisは背中が丸まっていることを。lordosisは脊柱が前湾していることを指す言葉で、それらをつなげて「カイホロードシス」と呼びます。
背中が丸まっていることによって頭部も前に出ますから、横から見たときに全身が大きくS字カーブを描くことになります。人の背中はある程度丸まり、腰はすこし反っているのが正常ではありますが、カイホロードシスはそれらのカーブが極端に出すぎている姿勢です。
その結果として、日常的に腰の痛みを感じやすくなったり、寝違えやぎっくり腰を引き起こしたりするリスクがあります。
そんなカイホロードシスは肥満体型の方、妊婦の方など、お腹に重みを感じる方に多く見られます。
カイホロードシスの筋肉への影響
カイホロードシスは、その他の姿勢と比べて弱りやすい筋肉、硬くなりやすい筋肉が多くなります。それぞれ一覧にしてご紹介します。
カイホロードシス姿勢で短縮(過緊張)しやすい筋肉
- 頸部伸筋群
- 股関節屈筋
- 腰椎筋(筋力は増強しているが長さが正常あるいは短縮)
- 腰部脊柱起立筋群
- 腸腰筋
- 大腿筋膜張筋
- 大腿直筋
- 前鋸筋
- 大胸筋、小胸筋
- 僧帽筋上部
- 肩甲挙筋
カイホロードシス姿勢の方が短縮しやすい筋肉は全身に及びます。とくに胸まわりの筋肉、肩まわりの筋肉、腰まわりの筋肉が大きく影響しています。
カイホロードシス姿勢で伸長(弱化)しやすい筋肉
- 頸部屈筋群
- 胸椎部脊柱起立筋
- 腹直筋
- 外腹斜筋
- 内腹斜筋
- 腹横筋
- 大臀筋
- ハムストリングス(弱化は軽度)
- 僧帽筋中部、下部
- 菱形筋
- 前鋸筋(※翼状肩甲の場合)
カイホロードシスが弱化しやすい筋肉は、お腹とお尻、太ももなど下半身に多くあります。また胸の筋肉が緊張していることから、反対側の脊柱起立筋上部や僧帽筋にも影響が出やすくなっています。
カイホロードシスとその他姿勢との違い
カイホロードシスと名前の似た姿勢に「ロードシス」が。混同されやすい姿勢に「スウェイバック」があります。
それぞれ違いをまとめると、下記のとおりです。
部位 | カイホロードシス | ロードシス | スウェイバック |
全身 イメージ | |||
頭の位置 | 前に出る | 正常 | 前に出る |
背中 | 丸まる | 正常 | 丸まる |
腰 | 反る | 反る | 前に出る |
骨盤の傾き | 前傾 | 前傾 | 後傾 |
大きな違いが出るのが「背中」と「骨盤」です。
カイホロードシスとロードシスは骨盤が前傾しています。一方でスウェイバックは骨盤が後傾することで、お腹が突き出たような見た目になります。またカイホロードシスとスウェイバックは猫背であるのに対して、ロードシスは背筋が伸びています。
例外もありますが、基本的には下記のように分類すると良いでしょう。
- 猫背で骨盤が前傾:カイホロードシス
- 猫背ではなく骨盤が前傾:ロードシス
- 猫背で骨盤が後傾:スウェイバック
まとめ
カイホロードシスは、日本人に多い姿勢の一つです。一般的な肥満体型の方だけでなく、妊娠中で一時的にお腹が重くなった方も、カイホロードシスになりやすい傾向にあります。
弱っている腹筋や大臀筋を鍛えることで、正常姿勢に近づきやすくなりますが、とはいえ症状は人それぞれです。接骨院やかかりつけ医、パーソナルトレーナーなどの専門家に相談のうえ、解消に取り組んでみてはいかがでしょうか。